白銀の世界 新潟五日町に聳え立つ八海山への旅
2026/8/22
Project / Scenerit
2025年1月、東京都武蔵野市にあるカフェ海猫山猫のオーナー様から、
「店内にある新幹線の座席の壁面に大きな風景写真を飾り、お客様に列車の旅をしているような
心踊る体験をしていただきたい」という素敵なご提案をいただきました。
そこでIMAGRAPHは、お客様がカフェという空間を通し、春夏秋冬異なる季節の移ろいを楽しんでいただける様
日本各地を旅し唯一無二の芸術作品を各シーズン毎に製作し飾るのはどうかとご提案させていただき、
Sceneritプロジェクトが始まりました。
冬から始まり秋に終わるこのプロジェクト。
初めのロケーション選びでのヒアリングでは「雪山と町」をご提案していただきました。
まるで列車から眺めた様な、美しい雪山と町が見れる場所は何処にあるのか...
丁寧に情報を集め、幾つもある案からオーナー様に選んでいただいた場所は、新潟にある八海山でした。
1月の新潟・六日町は天候が非常にが不安定で、どの曜日も大雪ばかり。
オーナー様のご要望は、「晴れの日の八海山」であった為、晴れる日と時間を正確に調べ、
可能性のある2月1日に向かうことに決定しました。

始発で出発し、乗り換え3回、3時間半かけ浦佐駅に向かいます。
暗かった空が、大宮に着く頃には微かに明るくなり、新幹線の窓からは美しい朝日を見る事ができました。
新幹線内では、機材の最終調整や列車の時刻、目標撮影地の場所を再確認しながら時を過ごします。


越後湯沢駅まで行くと、すっかり雪に囲まれた景色に。
気温は-5℃と凍える様な寒さでしたが、空気が透き通る様に澄んでおり、とても気持ちが良いです。
浦佐までの電車が出発するまでに時間があったので、町を散策。
古い木造の建物が雪に覆い被さる光景や、子供が作った小さなかまくらなど
雪国ならではの風景を目にする事ができました。
電車の時間になったので、越後湯沢駅から最初の目標地である浦佐へ。
事前にリサーチした撮影地で、良く八海山を撮る事のできるロケーションは、浦佐駅と五日町駅の間にありますが
なんとJR越後線は1時間に1-2本しか電車が出ておりません。
時間を待つのは勿体無いので、徒歩で撮影地AからB、Cへ向かい、歩きながら撮影することに決めました。

ロケーションマップ。星印が撮影地。

JR越後線の時刻表。1時間に1-2本しか出ていない。
浦佐駅から徒歩20分弱の場所に、上越線の線路と並行した一本のまっすぐな道があり、その道から五日町まで歩きます。
周囲には誰もいなく、静寂に包まれた空間。まるで別世界に来た様な不思議な感覚になりました。
この辺りは一面畑に囲まれた場所ですが、すっかり雪が覆いかぶさり、先までが真っ白。良く観察してみると
キツネなどの小動物のフットプリントを見る事ができました。東京という都市には垣間見ることの出来ない貴重な姿です。
浦佐駅から歩いて1時間、午前10時。最初の撮影ロケーションに到着。
目の前には一切建物が無い、真っ白い面の先に広がる力強い白海山。しかし天候は惜しくも
曇で青空が見えません。
オーナー様のご希望とされる風景は「晴れの日の白海山」なので、小まめに天気予報をチェックしながら
空が青く広がる時間まで他の撮影地ま歩きながら撮影を続けます。
浦佐駅と五日町駅の間を行き来すること2時間、午後12時過ぎ。
ようやく雲が薄くなり空が青くなって来ました。雪解けの畑の先にある白海山は
まるで春を告げる様な季節の風情を感じさせる美しい光景。
ご希望の作品に沿う様、様々な場所と角度で撮影します。
総カット数、375枚。
光と影、雲や空の色形といった自然の表情の多様な変化を捉えた作品たち。
帰宅後にオーナー様に送付すると、「全て予想を超えた美しさで選択が難しいです」というお褒めの言葉をいただきました。
そんな中で選んでいただいた一枚は、"雪解けの畑から眺める、晴れの日の八海山"でした。


早速印刷・額装の工程に移ります。
選んでいただいたのは、高級光沢紙に電車の窓のフレームに似せる様、銀色のアルミ額を選択。
お店に納品し、新幹線の椅子も再度レイアウトし直していただきました。
実は納品をしている際、お店にお客様が数名いらっしゃり、実際に席に座りっていただきました。
「本当に旅をしている様でワクワクするわね」と、写真を楽しんでいただき
風景を届けるのではなく、旅する時間そのものを提供するという、
Sceneritのサービスが創り出す特別な体験を提供出来ました。
























